2024年7月20日(土)
「萩開府420年記念 長州ファイブシンポジウム」が萩・明倫学舎3号館交流室で行われました。
今から161年前、国禁を破って命がけで密航し、日本人で初めてロンドン大学に留学を果たした5人の若者がいました。
彼らは西洋の近代文明を学んで帰国し、当時欧米列強の植民地化の危機にあった日本の近代化・工業化の舵取りとしてそれぞれの道で顕著な功績を残しました。
伊藤博文(初代内閣総理大臣)、井上馨(初代外務大臣)、山尾庸三(工学の父)、遠藤謹助(造幣局長)、井上勝(鉄道の父)
この5人の萩藩士の勇気ある行動と実績は近年評価され、「長州ファイブ」として称えられるようになりました。
萩市では、平成18年度から次代の萩を担う市内中学生5人を「長州ファイブジュニア」として、英国へ語学研修のため派遣しています。
新型インフルエンザや新型コロナウイルスの影響で中止になった年も何回かありましたが、今年も15回目となる語学研修を実施できることになり、選ばれた5人のメンバーが一同に会し、集まった来賓の方々、市民の皆さん、そして何よりも今日を一番喜ばれているご家族の皆さんの前で、決意表明を行いました。
当日はまず萩市の田中文夫市長の挨拶、公益財団法人上廣倫理財団事業部マネージャーの大城邦博氏の祝辞があり、「密航留学から日本の近代化へー長州ファイブの軌跡から学ぶことー」と題し、関西大学経済学部教授の柏原宏紀先生が歴史講座を行いました。
そして「長州ファイブジュニア出発式」では、派遣研修生として選ばれた
秋月真奈(まな)さん
鈴木花英(かえ)さん
中村暖(のん)さん
西村依那(えな)さん
山根莉音(りおん)さん
が、英国でどのようなことをしたいか、それぞれの思いを述べました。
長州ファイブジュニアの立派な志に感動した萩市長からは「人生、あとで後悔するのは、あの時こうすればよかった、と思うこと。進むか進まないか迷った時は、必ず進む方をとって、やりたいことはすべてやりきってきてください」と熱く激励しました。
選考の段階から何度も顔を合わせているという萩市教育委員会の池田廣司教育長も、「会うたびに頼もしくなる」と喜び、「帰ってきた時はもっと成長して、たくましくなった良い顔で戻ってきてください」とエールを送りました。
長州ファイブジュニアの5人は、7月28日から8月13日までの17日間、ロンドン大学のサマースクールで、国際的視野を広めながら、語学力の向上と文化的な交流を深める予定です。